3年ほど前から体がとても疲れやすくなり、しじゅう風邪をひいては
熱を出すようになっていました。その上、頭痛にも悩まされました。
たび重なるズキズキとした偏頭痛。あるときめまいを伴う頭痛から
何度も吐いてしまい、怖くなって脳神経外科にかかりました。
しかし、CTスキャンをとっても「悪いところは見当たりません」と。
ただ、「ひどい貧血なので、鉄剤を飲んでください」とだけ言われ
て薬を処方されました。
子どものころから健康には自信があったので「貧血なんて自分じゃ
ないみたい」「更年期が早く来たのだろうか」と不安に思っていたこ
ろ、ホメオパシーと出会ったのです。
何枚もの質問表を見た片上先生からは「あなたの体調の悪さは、
心の問題から来ていると思う」と言われました。正直言って、心外
でした。落ち込んでいたわけでもないし、思い当たる悩み事もなか
ったからです。しかし、どうにか治したい一心で、レメディを飲み始
めました。
週に1度、飲むように言われたCoccコキュラスというレメディーを初
めて飲んだとき、夜中、自分のうなり声で息苦しくて目が覚めました。
2週目にも同じことが起きました。怖くなって飲むのを止めていたら
片上先生から「うなされるというのはレメディがヒットしているということ。
最後まで飲み続けてね」との指示。そして、最後のひと粒を飲み終え
た2日後のことです。
また夜中の2時ごろ目が覚めました。そのとき突然、数年前につきあ
っていた男性から言われた言葉を思い出しました。彼とのことはいい
思い出だと思っていた私は、自分がこんなにも彼に対して「傷つけら
れた」「憎い」という感情を持っていたことに驚きました。涙がぽろぽろ
とあふれ出ました。あのころ、意地を張って一度も泣かなかった自分
を抱きしめてあげたいと思いながら、私は子どものように朝まで泣き続
けました。
翌日。片上先生から言われた「心の問題」とはこれだったのかと、私
は深く納得していました。彼とのこと、その後の自分の荒れた生活な
ど、するすると謎が解けるように自分のことが見えてきたからです。
その日以来、まったく頭痛はなくなり、風邪をひくこともなくなりました。
2ヵ月後に受けた健康診断では「貧血?え、どこが?」と医師に言わ
れてびっくり。ホメオパシーの力、そして心と体がダイレクトにつなが
っているということを、本当に実感したのです。
♥さみしさ、悲しみ、くやしさ、憎しみ、苦しさ、怒りなど人生の中
でつらいと感じたときの感情を私たちは素直にその場で表現し
ているでしょうか?
ほとんどの人はつらさを思い出さないように、胸の奥深くにしま
い込んで鍵をかけ、そのうち忘れてしまいます。
しかし、自分では忘れたと思っていても、実はそのときのつらさ
を体は覚えているのです。吐き出せなかった想いは、胸腺や
甲状腺などの腺や、肺、腎臓、肝臓、子宮などの臓器、あるい
は、体のさまざまな各器官にため込まれます。
そして何かのきっかけで以前と同じような感情がわき上がった時、
体は前にインプットされた記憶を痛みとして引き出し、症状として
あなたに教えるのです。
「以前傷ついた心もまだ癒えていませんよ」と。
体は正直ですよね。感情をため込む場所は、その人のウィーク
ポイントなので人それぞれ違います。症状が現れるところでもあ
ります。彼女には、胸腺のレメディーも処方していました。
それも心の扉を開くサポートになったと思います。